第70回定期演奏会を以下のように開催いたします。どうぞ皆様御来聴くださいますようお願い申し上げます。
第70回定期演奏会の聞き所を紹介します。
カンタータの番号順に、始めに第109番「われ信ず、尊き王よ」です。
この曲は死にかけた息子がイエスに救われる役人の話で、そこでは「救いを信じる」ということがテーマになっていますが、「主を信じます、私の不信仰をお助け下さい」と言う矛盾した発言を持つ聖句を音楽的に強調したものになっています。第3 曲目のテノールのアリアは、不安から絶望へ揺れ動く心情が、付点のリズムや三連符のメリスマ、さらには大胆な転調や不協和音によって最大限に表現されている音楽で、ここでは特に「震え」"wanket"の部分が、三連符のメリスマで描写されています。そして、「苦痛」"Schmerz"は長く続く音符で表され、突然、破局的な不協和音が響き、不安と絶望が素晴らしく表現されています。つづくアルトのアリアは一転してメヌエットの優雅なリズム、2本のオーボエの平和な語らいの内に、主への信頼を歌います。
第161番「来たれ、汝甘き死」はまずアルトのアリアで始まります。2本のフルートもオブリガードと共にアルトが死への憧れを歌う中、さらにオルガンが、有名な「血潮したたる、主の御頭」 ("O Haupt voll Blut und Wunden")のメロディーを挿入します。この曲は、マタイ受難曲で、何度もでてくるコラールの主題です。このオルガンのコラール主題は、当時の意味の分かっている聴衆に、キリストの受難というイメージを強烈に思い起こさせます。キリストの受難と復活によってこそ、死が暗き定めではなくなり、主の下に召される喜ばしいできごとに変化するというメッセージを伝えています。
第204番「われはおのがうちに」は、世俗カンタータに属するソプラノ用独唱カンタータで、歌詞内容が地味なためにあまり演奏される機会のない曲ですが、世俗カンタータの定番で華やかな曲になっており、ソプラノとオブリガード楽器にとっては相当の難曲になっています。
2009年5月17日(日)
13時30分開場 14時00分開演
日本大学カザルスホール
JR中央線・総武線 御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口 徒歩3分
東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅 B1出口 徒歩5分
東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅 B3出口 徒歩5分
東京メトロ半蔵門線 神保町駅 A5出口 徒歩5分
作曲者 | 曲目 |
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J.S.バッハ | カンタータ Nr.109 カンタータ Nr.161 カンタータ Nr.204 |
指揮 | 阿部 純 | |
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ソプラノ | 阿部 ゆう子 | |
アルト | 大国 和子 | |
テノール | 五郎部 俊朗 | |
鍵盤 | 久保 晃子 | |
管弦楽 | KMG合奏団 | |
合唱 | ヨハン・セバスチャン・カンマーコーア・ヨコハマ |
前売り 3,600円 当日 4,000円 全自由席
学生券 2,000円(事務局扱い、前売りのみ)
Tel.090(7286)7905 E-mail.jskcy@infoseek.jp